1690(元禄3)年の正月に神前に供えた神饌を記録したと伝わる巻物(幅35cm、長さ約10m、越前和紙)。
銀の神器に盛りつけたザクロ、柚子、松子、栢子、棗、キジ肉などが色鮮やかに描かれている。
神事の際、食物を神饌として捧げ、神迎えを行います。神饌は一般的に米、酒、海川山野の幸や、その季節に採れる旬の食物、地域の名産、祭神と所縁のあるものなどの神饌をお供えします。
この絵巻に見られる贅を尽くした神饌は、特殊神饌と呼ばれ、この祭事の時のみに供えられたものであろうと考えられます。
最新デジタル技術と、伝統技術を駆使し、和紙の素材や継ぎ目、色の光具合など細かい表現にまでこだわり、現物を忠実かつ精密に再現したものです。
厚みがある越前の鳥の子和紙を使い汚れやシミまで忠実に再現し描かれております。特に、雲母刷りという日本画伝統技術で表現される特殊な白色を特殊な技術を使用し再現しています。さらに、現物に色彩調整を加え、元禄時代当時の色彩を再現し、色や内容もより分かりやすくご覧いただけ、歴史に深く触れていただけます。